デジタル化や働き方の多様化が進む中、私たち女性にもキャリアの変革が迫られています。
キャリアアップ系の用語で「リスキリング」が話題ですが、海外では「アウトスキリング」が注目されつつあります。
似たような言葉「アップスキリング」もありますよね。
何がどう違うんだろう?
私たちにとってそれを知ることって重要?
どの言葉も似ていますが、意味は違います。
人々のキャリア構築方法が変化するこれからの時代は、女性にとっても違いを知っておくことは重要です。
- 「アウトスキリング」の意味
- 「リスキリング」、「アップスキリング」との違い
- 「アウトスキリング」の具体例
- 「アウトスキリング」を避けて生き残るための戦略
上記をわかりやすくお伝えします!
DX時代の生き残り戦略:女性のキャリアにも変革が
激動のデジタルトランスフォーメーション時代。
女性にとってもキャリアの変革が刻一刻と迫っているんです…。
デジタル化が変える職業の未来
デジタル化は、労働市場における職業の有り様を大きく変えています。
生成AIなどのテクノロジーが台頭し、仕事が自動化されることによって雇用が消失する時代がやって来ます。
これまで人間が担ってきた労働が、AIやロボットに代替される未来が予測されており、これは深刻な社会問題として扱われているんです。
世界経済フォーラム(ダボス会議)では、2020年1月に行われた年次総会で「第4次産業革命によって1億3300万人の新しい仕事が生まれると同時に、7500万人の雇用が新技術によって奪われる可能性がある」と発表。
新たなスキルを身に付けた人材を育てることが急務とし、「2030年までに全世界で10億人をリスキリングする」と宣言したんです。
引用:価値創造の担い手育てよ これからの人材戦略 | 第4次産業革命、少子高齢化が変革迫る
大変‼️
…?でも、新しく生まれる雇用の方が無くなる仕事より多い。
そうにゃ。
新しい産業で、新しい職種が生まれることが予想されているわけ。
で、その移り変わりの時期には仕事が無くなる人が一時的に激増するだろうと言われているにゃ。その移行を少しでもスムーズにしようというのが、リスキリングへの取り組みということなんだにゃ。
ライフイベントに左右される女性のキャリア
女性はライフイベントによってキャリアに影響を受けやすい傾向があります。
結婚や出産・育児、介護などによって、職場を離れたり、職務内容や勤務時間を変えたりするケースは少なくありません。
確かに、子育てのために時短勤務をしたり、介護のために退職したり、ブランク期間ができがち。
周りの人々が継続的にキャリアアップしていく今後、女性にとってブランク期間はこれまで以上に課題となるでしょう。
女性のキャリアに必要なデジタルスキル
DX時代において、女性が働く上で特に重要なのは、デジタルスキルの習得です。
デジタルスキルを身につけておくことで、ライフイベントへの影響を軽くすることができます。
例えば、デジタルスキルがあれば、自宅やコワーキングスペースなど、場所にとらわれずに働くことができます。
また、クラウド型のツールやサービスを活用することで、時短勤務でも十分な成果を上げることができます。
ただデジタルスキルを新しく習得するだけと言うより、今まで持っていたスキルに掛け合わせることが重要です。
他人事ではない!アウトスキリングとは
「アウトスキリング」って聞き慣れない。
まだまだ日本では関係ないんじゃない?
そんなことは無いんです!アメリカで起きていることはいずれ日本にも遅れてやって来ます。
早速見ていきましょう。
アウトスキリングの基本概念
アウトスキリングは、レイオフ(解雇)対象者や、レイオフの対象になる可能性のある従業員が新しいスキルや知識を身につけて、異なる職種や業界への移行を支援することです。
デジタル分野などの成長産業への就職に役に立つスキル教育を実施し、新しいキャリアの形成を支援することにゃ。
具体的には
- 労働市場で需要の高いスキルのトレーニングと認定
- コーチング
- 職業紹介
を組み合わせて提供されることが多いです。
これは特に、技術進化や市場の変化によって現職がなくなるリスクがある人々に重要な支援。
なぜアウトスキリングが注目されてる?
近年、デジタル化の発展と自動化技術の台頭により、多くの職種が姿を消し始めています。
この影響で、従業員は自身のスキルを再評価し、時代に合わせてアップデートする必要に迫られています。
企業がレイオフ対象の従業員に対し従来行ってきた支援を「アウトプレースメントサービス」と呼びます。
アウトプレースメントサービスは、解雇された従業員に対して、履歴書の書き方や面接のコーチングなど、新しい仕事を見つけるためのサポートを提供してきました。
しかし、これらのサービスは従業員が持つスキルそのものをアップデートするものではありませんでした。
アウトスキリングはここに注目し、従業員自身が新しい環境で競争力を持ち、再就職のチャンスを高めるためのスキルセットを提供することで、従来のアウトプレースメントサービスの限界を超えるものとなっています。
アウトスキリングと伝統的なキャリアパスとの関係
伝統的なキャリアパスは、長く同じ職種や業界で働き、少しずつステップアップしていくような道のりでした。
「新卒で入った会社で定年までずっと働く」という、安定した職業生活のイメージです。
良く聞く「働かないおじさん」や、下手をしたら大学を卒業した後、何も新しいことを学んでいない雇用者が多かった時代。
今まではそれでも通用しました。
だから、アウトスキリングという考え方がとても大切になってきているんです。
これは、今の仕事の枠を超えて、新しい分野にチャレンジするためのサポートを意味しています。
この考え方には、私たちが持っているスキルを大事にしつつ、新しいことに挑戦する柔軟さや適応力を育てるという意味があります。
結果的に、自分のキャリアをもっと安定させたり、将来に渡って続けられるようにしたりすることができるのです。
アウトスキリングは、昔ながらのキャリアパスとは違う新しい道を私たちに示してくれるんですね。
自分のキャリアを自分の手で描くための、新しい一歩と言えるでしょう。
アップスキリングとリスキリングとの違いは?
「アウトスキリング& アップスキリングの違い」と「アウトスキリング & リスキリングの違い」について解説
アップスキリングとの違い
アップスキリングは、現在持っているスキルをさらに磨き、レベルアップさせることです。
例えば、デジタルマーケティングの基本知識がある方が、最新のSEO技術やデータ分析ツールについて学ぶことがアップスキリングにあたります。
アップスキリングは、自分の現職での成長と発展を目指す方にとって、キャリアの継続的な発展に欠かせません。
対照的に、アウトスキリングは、現在の職種や業界を変えることを前提としており、全く新しいスキルセットや知識を身に付けることを意味します。
リスキリングとの違い
リスキリングは、基本的には企業がDX化の必要に迫られ、社内の人材を教育して配置転換を行うことです。
現在の業務とは全く異なる新しい業務を行うために、必要なスキルを身に付けることなんです。
例えば、従業員が新しい知識やスキルを身に付けられるよう学びのプラットフォームを企業が提供し、社会的に需要のある新しい部署に移動させることがリスキリング。
アウトスキリングは特に、自身の現状の職を失う可能性がある場合に焦点を当て、新たな産業や職種への移行をサポートします。
両者は目指す方向が異なるものの、共に新しいスキルを学ぶという点で共通しています。
アウトスキリングのメリット
ネガティブに見えるアウトスキリングですが、メリットは何なんでしょうか?
企業のメリットと雇用者側のメリットを見ていきます。
企業側のメリット
企業がアウトスキリングを行うと、いくつかの良い点があります。
一つは、会社のイメージがよくなること。
ただクビを切って終わりというのではなく、従業員に新しい道を示すことで、会社はより良い社会的評価を得ることができます。
残る従業員の士気も高まります。
会社を離れる従業員との関係を良好な形にしておくことで、再雇用のためのタレントプール※ができることも挙げられます。
※タレントプールとは:人材を意味する 「タレント(Talent)」と、蓄えを意味する「プール(Pool)」を組み合わせた言葉。短期的あるいは中長期的に自社の採用候補となる人材の情報を蓄えるデータベースのこと
従業員が幸せでやる気になると、会社全体の働きがよくなることもあります。
雇用者側のメリット
個人にとってアウトスキリングの一番の利点は、たとえレイオフされたとしても、より条件の良いキャリアを手に入れる機会につながることです。
新しいスキルを学ぶことで、違う職種に挑戦できるチャンスが広がりますし、自分の能力に自信を持てるようになります。
このように、新しいことを学ぶことで、もっとたくさんの仕事の選択肢が広がります。
今まで貢献してきた会社が、自分をただ捨てるのではなく、新しいスキルを取得する機会を提供してくれたということは、会社が自分のことを尊重してくれていると感じられモチベーションの維持にもつながります。
会社との関係を友好的なものに維持することは、雇用者側にとっても精神的な負担が少ないんです。
確かに、ただ解雇を言い渡されるだけだと「会社に使い捨てられた!」と感じちゃうかも。その後、退職までの勤務が辛くなりそう。
社会全体への影響と利点
会社にも都合があるのはわかるけど、社会に悪い影響が無いようにできるだけ解雇者のケアをするのが会社の義務だと思う。
アウトスキリングは、私たちの社会にも良い影響を与えます。
職業の選択肢を広げ、社会皆が働きやすくなるように作用するのです。
また、様々な産業で働ける人が増えることで、仕事の人手不足を減らすことができ、経済の活性化につながります。
アウトスキリングの具体例
実際にアウトスキリングを実施している例を見てみましょう。
Amazonのケーススタディ
アウトスキリングの良い例として、世界的に有名なAmazonの取り組みがあります。
Amazonでは「キャリアチョイス」というプログラムを通じて、配送センターの従業員が新しいスキルを学び、成長産業や需要の高い仕事につながる支援をしています。
このプログラムでは、例えばWEB開発者や看護師、ITセキュリティアシスタント、ネットワーク技術者など、様々な職種に必要なスキルを学ぶことができます。
このような取り組みは、女性従業員にとっても新たなキャリアの道を開く大きなチャンスとなっています。
EdTechのユニコーン企業がアウトスキリングのプラットフォームを提供
また、教育技術(EdTech)の分野で注目されているユニコーン企業、ギルド・エデュケーション(Guild Education)の例も参考になります。
この企業は、特に学位や資格を持たない人々向けに学習の機会を提供してきました。
例えば、Walmartと提携し、従業員が働きながら大学の学位や専門資格を取得できるようなプログラムを実施しています。
こうしたプラットフォームは、特に女性が新しいキャリアに踏み出す際に、大きなサポートとなるでしょう。
そして2020年、同社は企業を解雇された人に向けて次のキャリアにつなげるためのプラットフォームとして「ネクストチャプター(Next Chapter)」を立ち上げました。
このプログラムでは、学術機関やトレーニング提供者と連携、リスキリングの機会を提供から職業紹介や履歴書作成、面接指導までの包括的サポートを受けられます。
アウトスキリングで何を学ぶべき?
さて、もしもアウトスキリングの必要性に迫られたら…?
私たちは一体何を学ぶべきなんでしょうか?
IT系スキルの重要性
現代社会において、ITスキルの重要性はますます高まっています。
特に、基本的なコンピュータ操作からプログラミング、データ分析、デジタルマーケティングなど、幅広いスキルが求められています。
例えば、オンラインでのコミュニケーションや情報の管理、ウェブサイトの運営などは、今日の職場で必須のスキルとなりつつあります。
女性の皆さんにとっても、これらのITスキルを身につけることで、様々な業界でのキャリアの選択肢が広がり、新しいチャンスを掴むことができるでしょう。
未来志向の職業とスキルセット
未来を見据えたキャリアを考えるとき、どのような職業が求められるのでしょうか?
例えば、人工知能(AI)やロボティクスなどの先端技術に関連する職業は今後も成長が見込まれる分野です。
これらの分野では、専門的な技術知識だけでなく、創造性や問題解決能力も重要とされます。
女性の皆さんがこれらの分野で活躍するためには、専門知識を身につけると同時に、柔軟な思考やチームワークのスキルも磨いていくことが大切です。
非IT系の重要なスキル
他には、トラック運転手や看護師、航空機整備士、介護士などのエッセンシャルワーカーも注目されています。
セラピストやカウンセラーもAIに代替されにくいと言えるのではないでしょうか。
ITスキルだけが重要なわけではありません。
例えば、コミュニケーション能力、チームで協力する能力、リーダーシップはどの業界においても重宝されます。
また、クリエイティブな思考や、異文化間コミュニケーション能力も、グローバル化する世界においてますます求められるスキルです。
アウトスキリングを回避するために個人でスキルアップしよう
人生には山あり谷ありですが、なるべくだったらアウトスキリングは避けたいもの。
アウトスキリングの可能性を最小限にするために私たちができることは何なんでしょうか?
継続的なスキルアップ
アウトスキリングのリスクを避けるためには、スキルの継続的な向上がとても重要です。
自身の職業スキルを常に現代の市場のニーズに合わせて更新し続けること。
例えば、オンラインの研修コースやワークショップに参加したり、関連する専門書を読んだりすることでも、新しい知識や技術を学ぶことができます。
キャリア計画の立て方
自分のキャリアをしっかりと管理するためには、明確なキャリア計画が必要です。
これには、自分の強みや興味を棚卸してキャリアの目標を再確認すること。
そして、それに基づいて短期・中期・長期の目標を設定することです。
また、定期的に計画を見直し、必要に応じて調整することも大切になります。
柔軟な職業観とマインドセット
キャリアを通じて成長し続けるためには、柔軟な職業観とポジティブなマインドセットが欠かせません。
変化を恐れず新しいことへのチャレンジを怖がらずに受け入れること、これが私たちの成功への大切な一歩です。
女性ならではの視点で、色々な役割を経験する中で、柔軟性や広い視野を育てることができるんです。
この能力は、自分自身のキャリアにとってだけでなく、周りの人たちにもポジティブな影響を与えます。
今リスキリングしないとやばいかも?
そう感じているあなたは鋭いです。
今がまさにその時なんです。
常に学び、成長する心を持ち続けることが、アウトスキリングのリスクを減らし、キャリアの幅を広げる鍵となります。
自分を信じて、柔軟な考え方でこれからの仕事の世界に向き合ってみましょう。
そうすることで、まだ見ぬ新しい道がきっと見えてくるはずです。
会社をアテにしないで、自分でリスキリング補助金を使って学ぼう
女性の皆さんに強くおすすめしたいのが、会社のリスキリング制度が整えられるのを待っていないで自分から動くこと。
特に、大手の企業ならまだしも、中小企業の場合はアウトスキリングはおろか、リスキリング制度の整備もままならないでしょう。
リスキリングで学びたい個人向けに、様々な補助金制度が用意されています。
あまり知られていない情報なので、この情報を目にできたあなたはラッキー。
もし転職を視野に入れているのなら、期間限定で実施している「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」が利用できます。
シングルマザー向けのリスキリング補助金、母子(父子)家庭自立支援給付金も。
詳細については、こちらの記事にまとめました。
その他にも教育訓練給付制度など個人が利用できる給付金制度がありますから、ぜひチェックしてみてください。
自分自身の可能性を広げるための、素敵な一歩を踏み出してみませんか?
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