現代社会では、常に進化する技術と変化する市場に対応するため、自分の能力を磨くことは誰にとっても必要不可欠です。
そんな中、従来のスキル磨きに加え、「アップスキリング」と「リスキリング」という言葉がじわじわと注目され始めています。
これらは一見似ているようでいて、その概念や狙いにはしっかりとした違いがあるんです。
「アップスキリング」って何?
「スキルアップ」や「リスキリング」とは一体どう違うの?」
そんなあなたの疑問が、この記事を読めば解決します!
一人ひとりのキャリアパスや現在のスキルレベルによって、最適な成長手法は違ってきます。
アップスキリング、スキルアップ、リスキリングの違いをしっかりと押さえ、自分にピッタリのアプローチを見つけていきましょう。
アップスキリングとは何か?基本をわかりやすく解説
皆さんは「アップスキリング」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
この言葉は、昨今のキャリアアップを見据えた自己投資の重要性を示しているキーワードです。
仕事の能力を高めたり、新しいスキルを身に付け取り入れたりして、市場価値を上げる取り組みと言えるでしょう。
特に、テクノロジーの進化が速い今日では、常に最新の知識とスキルが求められます。
既存の業務においてもデジタル化が進むことで、新しいツールの操作能力やデータ分析などのスキルが必要になります。
このような環境下で、アップスキリングは自分自身を市場の変化に適応させ、競争力を保つためのカギとなります。
例えば、プログラマーがオンライン講座を受講してより高度なプログラミング言語を学ぶことや、マーケターがセミナーに参加して最新のマーケティング手法を習得することなど。
アップスキリングとスキルアップの違いとは?
スキルアップって、私たちは普段何気なく良く使いますよね。
スキルアップの意味を改めて調べてみました。
「仕事などで必要な知識やスキルや資格や技術などを習得すること。」引用:weblio辞書
「腕前を上げること。技術力を高めること。」「—を図る」引用:goo辞書
この「スキルアップ」とほぼ同じ意味とされる「アップスキリング」は、わずかですが異なるニュアンスがあります。
新しいことを学ぶこともありますが、和製英語として日本の職場文化に根ざした概念で、仕事の効率化や専門性の強化が主な目的です。
具体的には、Excelのスキルを高めることで処理速度が上がったり、プレゼンテーション能力を向上させることで提案力が増すといったイメージです。
一方でアップスキリングは、既存の職種内、あるいは市場全体での変化に対応するために新たなスキルを身につけること。
技術進化や業界のトレンドに応じた能力の獲得が中心で、例えばデジタルマーケティングやプログラミングといった、これからの時代を見据えた技能を学ぶことが含まれます。
「スキルアップ」は和製英語だから、海外では全く通じないんだにゃ!
アップスキリングとリスキリングの違いは?
これからの時代の変化に対応し、自分の市場価値を高めるためには、持っているスキルを磨いたり、新たに学んだりすることが欠かせません。
その方法として「アップスキリング」と「リスキリング」という二つの言葉を耳にする機会が増えてきていますが、具体的にどのような意味があるのでしょうか。
リスキリングの意味
リスキリングは、新しい職種や業務への移行に必要な全く異なるスキルを身に付けることを指します。
仕事のデジタル化やAIの活用が進む中、企業では高度なデジタルスキルを持つ人材の確保が不可欠になっています。
日本では、「リカレント教育※」や「リスキリング」の言葉がごちゃ混ぜに使われていて、個人が自発的に学ぶことを「リスキリング」と呼ぶこともしばしば。
※リカレント教育=個人が一旦会社から離れて大学などの教育機関に入って学ぶこと。働く上で必要と感じた知識を学んだ後に、再び職に就く。この「働く」と「学ぶ」ことの繰り返しがリカレント教育。
アップスキリングとの違い
同じ職種の中で新たな技術を取り入れスキルを高めていくアップスキリングに対し、リスキリングは別の職種や業務で必要なスキルを身につけていくものなんです。
全く違うものなんですね!
目的別:アップスキリングは誰に向いてる?
このような方がアップスキリングに取り組むと良いでしょう。
- 特に別の職種・部署への配置転換の希望がない
- 職種の変化に対応してスキルの幅を広げたい
- キャリア形成の意識が高い
- 自己改善への意欲
今の仕事内容が好きで、現状のポジションでのスキルを向上したい方向けです。
市場全体での変化や技術の進化に対応し、自分の職種で新たなスキルが求められると感じる方も、アップスキリングすると良いでしょう。
自分のキャリアを長期的に考え、新たなスキルを身につけることで将来の自分を安定させたいと考えている方、アップスキリングを通じて、自分のスキルを向上させることに興味があり、努力を惜しまない方。
目的別:リスキリングは誰向け?
一方、リスキリングは以下のような方に向いていると言えます。
- デジタルスキルを身に付けて、ニーズの拡大しているポジションへ移動したい
- 全くの異業種や新しい分野で活躍したい
- 別部署へ移動しても構わない
- 柔軟性がある
リスキリングの場合、新しいデジタルスキルを身に付けて、新しい部署へ移動する可能性が高いです。
今までとは異なる仕事内容で、全く新しいことに挑戦することになるでしょう。
環境や取り巻く人間関係が変わるので、柔軟に対応できる能力があると可。
アップスキリングよりもチャレンジングな体験となるのは間違いないので、冒険心がある方にも!
アップスキリングのメリット
アップスキリングにはどんなメリットが?見ていきます。
労働力不足が解決できる
少子高齢化が進んでいる今日、多くの企業が必要な労働力を確保するために苦心している状況。
アップスキリングを通じて、社員のスキルを向上させることで、労働力不足を補うことができます。
社員の満足度が上がることにより離職を防ぐことができる
継続的な学びによって、社員自身のキャリアに対する期待が高まります。
新しいスキルを習得することは、人生を刺激的なものにし、職場での日々が新鮮なものになるため、満足度が向上します。
楽しく仕事をすれば、当然、その職に留まる傾向が強まるため、離職率の減少に繋がります。
職場で過ごす時間って長いもの。自分が成長している実感は、働くモチベーションを大いに高める要因の一つですからね。
DX人材が確保できる
デジタルトランスフォーメーション(DX)は今や避けて通れないテーマ。
アップスキリングを実施することで、社員のITスキルを向上させ、DX化に対応できる人材を確保することにつながります。
社員一人ひとりがデジタル技術に対する理解を深め、数々のツールを効果的に活用できるようになれば、自ずとDXに強い人材が育ちます。
その結果、企業全体がデジタル化の波に乗り遅れることなく、競争力を保持できるのです。
リスキリングのメリット
リスキリングに取り組むことで、社員と企業、どちらにもメリットが生まれます。
市場価値が高まる
社員は、新たな需要のあるスキルを身に付けることにより、新しい分野での活躍が可能になり、自分の市場価値を高めることができます。
また、企業は競争力を維持・向上させることができます。
生産性が上がる
新しいスキルを活用することにより、業務の生産性が向上します。
生産性が高まるにともなって、社員個人だけでなく、チームや組織全体の生産性向上も期待できます。
コストが節約できる
デジタルスキルを持っている人材を新しく採用するより、既存の社員にスキルを習得させる方がコストがかかりません。
デジタル化が早く進む
コストが安いのと同時に、社内の人間をリスキリングした方がデジタル化が早く進むことが挙げられます。
高度なデジタルスキルを持っている人材を採用することが難しくなっており、採用しようとしている間にデジタル化が遅れてしまうことに。
社内のことがわかっている既存社員にスキルを学んでもらった方が、長期的な視点ではデジタル化が早く進むのです。
今後もリスキリングは、個人や企業の成長にとって欠かせない取り組みとなるでしょう。
私のアップスキリング体験
私自身のアップスキリングやリカレント教育の経験をお話しします。
✏️思い返せば今まで、「アップスキリング」や「リカレント教育」を繰り返してきました。
「働く」「学ぶ」を繰り返して来たので、リカレント教育寄りでしょうか。
以下は、社会に出た後、学んだり働いたりした経験です。
- 日本語教師養成の専門学校を卒業→日本・海外で日本語教師
- ハロートレーニングのネイリスト講座を受講→ネイリスト
- パラリーガル養成講座を受講→法律事務所の事務職員
- 推しの活動に合わせソウルで韓国語学校通い→ヲタ活
- デジタルハリウッドでWebデザインを学習
- ライティング講座を受講→ライター
- コールセンターのオペレーター
- 国際特許事務所の事務員
- 貿易会社の事務員
- 英文事務
- タイミーで副業
などなど…。
国際特許事務所や貿易会社で働く際には、自主的に業界のことや、必要となる知識を書籍で学習しました。
そのお陰で、今となっては「どこの国でも生きていける!」
「どんな職種でもチャレンジしてみたくなったらする!」
という姿勢と、自信が身に付きました。
まとめ:アップスキリングとリスキリングの違いを理解してDX時代を生き残ろう!
デジタルトランスフォーメーションの波は、私たちの働き方や必要なスキルに素早く変化を強いています。
この激動の時代を生き抜くため、アップスキリングとリスキリングが重要なキーワードとなります。
アップスキリングは、現在の職務に関連する技能や知識を高めること。
一方リスキリングは、職種が変わることに備え、新しいスキルセットを身につけることを意味します。
どちらも個々のキャリアアップと職場の競争力維持に不可欠であり、積極的に取り組むことが求められています。
また、個人の達成感や職場での貢献度を高める効果も。
この動きに適応し、自分自身をアップデートすることは、今後の市場で価値あるプレーヤーであり続けるためのカギとなります。
一歩を踏み出して、常に前進を続ける心構えが、DX時代を生き残るためにはなくてはならないんだにゃ!
結局のところ、進化する世界のニーズに応じれば、私たちの可能性も同様に無限に広がっていくことを忘れずにいたいものです。